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クランプメーターで簡単・迅速に暗電流を測定

測定値表示の写真です

暗電流とは?

暗電流とは、イグニッションスイッチがOFFの状態でも、時計やカーナビ、ECUの学習メモリーの保持のために常時流れている待機電流のことです。最近の車はスマートキーやセキュリティー、ドライブレコーダーなどの電装品により、暗電流が高くなる傾向にあります。
暗電流はバッテリーから常時消費されていますので、あまり乗らない車や、電装品の不具合で多量に流れてしまっている場合、バッテリー上がりの原因となります。
正常な暗電流値を把握したうえで、定期的に測定しておくと安心です。

■クランプメーターで測定するメリット

暗電流はサーキットテスターでも測定できますが、アース線を外したりする手間がかかりますし、アース線を外した際の作業ミスで車両メモリーが消去されてしまうリスクがあります。
クランプメーターを使用すれば、アース線を付けたままクランプする(挟み込む)だけで暗電流を測定できます。メモリー消去のリスクが無く、簡単・迅速に暗電流を測定できます。

■車両メモリーの消去とは?

バッテリーの配線を単純に外してしまうと、電装品に常時供給されていた電源が遮断されてしまうため、メモリーが消去されてしまいます。時計やカーナビの設定が消えるだけではなく、アイドリングが不安定になったり、燃費の悪化、パワーウインドウやアイドリングストップ機能などに不具合が発生することがあります。

■使用するテスター

暗電流は100mA以下の微弱な電流ですので、一般的なクランプメーターでは正確な測定ができません。直流の微弱電流が測定できる専用のクランプメーターが必要です。
この記事では、カイセの暗電流クランプアダプターを使用しています。

暗電流クランプメーター(型式:SK-7831)

測定方法

  • ❶エンジンを停止して、ルームランプやヘッドライトなどの電装品がOFFになっていることを確認します。エンジン停止直後は電流が多めに流れているため、15~20分程度放置します。
  • ❷クランプメーターのヘッド部をバッテリーのアース線に近づけた状態で、電源スイッチをON(4000mA)に合わせます。パワーオンイニシャライズ(自動ゼロ調整)が働いて、クランプメーターに0が表示されます。このように実際の測定に近い状態で電源ONにすることで、より正確な測定ができます。
    ※クランプヘッドが少しでも開いた状態で電源ONにすると、パワーオンイニシャライズが正しく働きません。
    電源スイッチONの写真です
  • ❸バッテリーのアース線をクランプ(挟み込み)します。クランプメーターに暗電流の測定値が表示されます。
    ※アース線が2本の場合は2本一緒にクランプします。一緒にクランプできない場合は、1本ずつ測定して測定値を合算してください。
    ※クランプする方向が逆(クランプヘッドの ⇒ 印と電流の流れる方向が逆)の場合は、下記写真のようにマイナス表示になりますが、そのままプラスの値に読み換えてOKです。
    測定値表示の写真です

■測定結果

  • 30mA未満:正常値です
  • 30mA以上:高めの値です

    ※電装品の多い車でなければ、何か原因があるかもしれません。

  • 100mA以上:異常の可能性あり

    ※バッテリーが上がりやすい状態ですので、原因を探る必要があります。

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