ホンダ車のVSAメンテナンスモード移行手順
VSAメンテナンスモードとは?
VSA(ビークル・スタビリティ・アシスト)とは、ABS、TCS、横滑り抑制装置を総合的に制御して、車両の急激な挙動変化を抑制するホンダの安全装備のことです。
VSAメンテナンスモードとは、整備などの際にVSAを完全に停止するための車両モードで、パーキングブレーキ、ブレーキペダル、VSA OFFスイッチの複合操作で行います。
ちなみに、運転席横のVSA OFFスイッチを長押しするとVSA OFFモードになりますが、VSA OFFモードではTCSの制御内容が変わるだけで、TCS以外の制御はOFFになりません。
VSA OFFモード中におけるTCS制御内容は下記の通りです。
●低速時はTCS制御を停止。(雪などでスタックした際の脱出性確保)
●左右の路面状態が異なる際の発進時は、安全性確保のためTCSが作動。
●TCSが作動すると、VSA OFF警告灯は点灯したままVSA警告灯が点滅。
●車速が50km/hになるとTCSが作動するため、整備時にリフトアップをして車速を上げた場合、50km/h以上にならない。
事項では、VSAの制御を完全に停止する、VSAメンテナンスモードへの移行手順をご紹介します。
VSAメンテナンスモード移行手順
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❶エンジンを始動して、ブレーキペダルは踏んだままにしておきます。以下の作業を30秒以内に行います。
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❷パーキングブレーキを解除します。ブレーキペダルを踏んだままの状態で、VSA OFFスイッチを長押しして、VSA OFF警告灯が点灯することを確認します。
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❸VSA OFFスイッチを押します。VSA OFF警告灯が消灯することを確認します。
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❹パーキングブレーキをかけ、ブレーキ ペダルを放します。この状態でVSA OFFスイッチを長押しして、VSA OFF警告灯が点灯することを確認します。
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❺VSA OFFスイッチを押します。VSA OFF警告灯が消灯することを確認します。
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❻パーキングブレーキをかけたまま、ブレーキペダルを踏みます。この状態でVSA OFFスイッチを長押しして、VSA OFF警告灯が点灯することを確認します。
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❼VSA OFFスイッチを押します。VSA OFF警告灯が点滅、VSA警告灯が点灯して、VSAメンテナンスモードが起動します。
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❽VSAメンテナンスモードの解除は、POWERスイッチのOFF、またはVSA OFFスイッチを押します。警告灯が消灯したことを確認します。
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※操作途中に条件から外れた場合や、操作開始から30秒以上経過してしまった場合は、POWERスイッチをOFFにして、10秒以上間隔を空けてから再度行ってください。
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※VSAが故障を検知した場合、VSAメンテナンスモードはキャンセルされます。